書く。口にできないから。　　　　　　　　　　　　　　　　

「オタバッツ珍道中」のまとめはこちらからドーゾ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/u3098310/42830121.html



俺の名はオタバッツ。

親父の遺言に従って風の吹くまま気の向くままに世界を旅している。

決して引きこもっていたが家賃が払えずに故郷の村を追い出されたわけではない。

俺には相棒がいる。チョコボのボコだ。

小さい頃故郷の村でイジメにあって以来人間不信になり、

鳥くらいしか相棒に出来なかったわけではないのであしからず。

いつもの通り俺たちは森で野宿の準備に取り掛かっていた。

宿屋に泊まりたいがそんな金はない。

たまにはたらふく美味いものを食べてふかふかのベッドで眠りたいなあ。

そう思っていた時だった。

この世のものとは思えないほどの轟音が鳴り響き、地面が大きく揺れた。

地震かとも思われたが、地震にしては音が大きすぎる。

どうやら近くに隕石が落ちたらしい。

俺は早速ボコの背中にまたが…ろうとしたら避けられた。

そう…情けないことに俺とコイツは主従関係が逆転しているのだ。

実は以前俺が森でゴブリンに殺されそうになっていた時に通りかかったのがボコだ。

ボコはゴブリンたちにチョコボキックをお見舞いすると、

謝礼をよこせと言わんばかりに俺に餌をせがんできた。

こうして俺たちの主従関係はできあがったのだ。

高級チョコボフード（一缶３００ギル、ちなみに俺の所持金は５００ギル…）を

買ってやるという約束でなんとか背中に乗せてもらい、隕石の落ちた場所へ向かう。

隕石の近くに辿り着いたが、高級チョコボフード一個ではここまでだと言わんばかりに、

ボコは俺を振り落とした。人間不信どころか鳥不信にもなりそうだ…

だいぶ近くまで来たし残りは徒歩で近づくことにする。

そこで見たものは…かわいい女の子がゴブリンに連れ去られようとしている！

ゴブリンにはろくな思い出がないので見て見ぬフリをしようとも思ったが、

その女の子はまさに俺のタイプに直球ど真ん中ストライクだった。

ここで俺は得意の脳内妄想を開始する。

助けてあげる
↓
女の子「助けてくれてありがとうございます！」―――――┐
↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
女の子「私…強い人好きなんです…」　　　　女の子「お兄ちゃんって呼んでもいいですか？」
↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
女の子「私を好きにして…」　　　　　　　　女の子「私をお兄ちゃんだけものにして…」
↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
セクロス←――――――――――――――――――――┘

イ、イカン！鼻血が出てきた！

…とピンクな妄想をしている間にもゴブリンたちがドンドン離れていってしまう！

迷ってる暇はないとゴブリンたちに戦いを挑む俺。

俺には３つの武器がある。

ブロードソード、心の刃、そして股かｎ（ｒｙ

ゴメン、やっぱムリ…

ゴブリンは一般成人男性ならたいして苦労しないと統計（タイクーン調べ）でも出ているが、

あいにく俺は元引きこもり、身体能力は老人並だ。

こうなったら奥の手を使うしかない！俺は叫んだ。

『あっ！あんなところに隕石が！』（指差しながら）

…

……

………

しまった！実際隕石は目の前にあるんだった！

せめてＵＦＯにしとけばよかった…俺は死を覚悟した。

しかしゴブリンたちは襲ってこない。

恐る恐る目を開けると奴らは俺の指差した方を見ていた。

こいつらは力こそ（俺より）強いが、頭の方は空っぽだ。

俺はブロードソードを手に取った。

喰らえ！必殺・オタバッツストラーッシュ！

説明しよう！「オタバッツストラッシュ」とは、大地を斬り、海を斬り、

そして空を斬ることによって初めて使える最強の必殺剣なのだ！

ゲームが違うといったツッコミは受け付けないのだ！！

なんとかゴブリンを撃退した俺は彼女の元へ近づいた。

ああ…いい匂いだぁ…女の匂いだぁ（感涙）。

いつもチョコボ臭いのと一緒にいるからなあ…

…ところで・だ。

…起きる気配はない。

…誰も見ていない。

ゴクリ。

ちょっとくらいなら触っても…と思ってそのみずみずしい体に手を伸ばした時…

女の子「…ん」

！！俺は慌てて手を引っ込めた。

『大丈夫か？』　俺はかっこよく言った（つもり）。

レナ「ええ…ありがとうございます。私はレナ。あなたは…？」

おお！向こうから名前を聞いてきた！これは脈アリだな！

よし！ここはかっこよく…

『俺の名はオファバッツ』

噛んだ…しかも自分の名前で…ＯＴＬ

レナ「オファバッツ…さん？」

『…オタバッツです』

俺カッコワル…

その後彼女と隕石について、そして風が止まったことについて談義する。

しかし俺はそんなことなど考えられなかった。

彼女の顔、声、口の動き、髪をかきあげるしぐさ…全てが俺を魅了した。

胸の奥からこみ上げる切ない感情…これは一言で言うなら…萌えだ！

ピンクの髪はまさにギャルゲーのヒロイン！

出会いも運命的！

そう、曲がり角で食パン加えた転校生にぶつかるくらい運命的じゃあ（ｂｙジョセフ・ジョースター）！

これは…萌える！

そんなことを思っていたら話は進んでいたらしく、彼女は先を急ぐと言う。

ヤバイ！このままではフラグも立たないまま別れてしまう！

俺は何とか彼女をひき止めようとして言った。

『ちょ、っちょ待てよ！』（ホリ風に）

…ウケたかウケなかったかは別として彼女は立ち止まった。

レナ「何か聞こえない？」

彼女は言った。俺は返した。

『それは二人の出会いを、そして未来を祝福する天子の鐘の音だよ』

レナ「…あっちよ」

ちょ…ガン無視ですか。

彼女について奥へと進むと、なんだかみすぼらしいじじいが倒れていた。

俺と彼女のスイートモーメントを邪魔しやがって…

とどめを刺してやろうかと俺はブロードソードに手をかけたが、

彼女の見ている前でそんな蛮行はできないのでやめておいた。

目を覚ましたじじいは自分を記憶喪失者だと言い始めた。

ああ、これがアルツハイマーってやつか。

俺は近くの老人ホームの住所と地図を書いた紙をじじいに手渡そうとしたが、

レナ「そんなこと言っちゃダメ！」

と彼女が言うもんだからやめておいた。

それから彼女とじじいは何か話していたが、

俺は初めて彼女に怒られたことに興奮していたので

話の詳細はよくわからなかった。

話が終わったかと思うと、彼女はじじいとともに風の神殿に向かうと言い出した。

そう…俺はじじいに彼女を寝取られたのだ。

ああ…彼女が何か俺に話しかけているがモウナニガナンダカワカラナイ…

気がつくと二人の姿はそこにはなかった。

俺はとぼとぼとボコのいるはずの場所へ戻った。

ボコの姿はそこにはなかった…俺は泣いた。



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