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照り焼きチキンにデミグラスソースのハンバーグ、甘栗にゴマ団子に大判焼き。夕方のデパ地下は和洋折衷、おかずから甘味まで、雑多なにおいがごった返している。
私は、それらの誘惑に何度も後ろ髪を引かれながらも、なんとか目的の洋菓子フロアに辿り着いた。
「うわ……」
思わず感想が口から漏れた。どのお店の前にも人、人、人。時期が時期だからか、ワゴンセールをやっているお店もあり、そこはさながら新春初売り会場のような人だかりができていた。商品を吟味し取り合っている様はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
今日はバレンタインデー。女の子から好きな男の子への愛の告白(もしくは確認)にチョコレートを添える日である。何故か私にとってもチョコレートを貰う日であるが、今年は日曜日と重なったということもあって、例年よりも貰う量は少なめだった。
…少なめと言っても、一度に全部食べたら体重と鼻血の心配をしなければいけない程度には貰ったんだけど。
美希に至っては「今年はそれほど貰わないだろうから……」と前置きして、今までにくれてたものよりも遥かに大きい包みを渡してきた。毎年続く嫌がらせだけど……私、本当は美希に嫌われてるんじゃないかしら?と少し不安にもなる。
ところで、私が何故バレンタイン当日にチョコレートを買いにきているかというと、バレンタインの存在をすっかり忘れていたからである。昨日、一つ目のチョコレートをもらってやっとその存在を思い出したのだ。
「好きな男の子がいる女の子としてそれはどうなのよ……」
ため息とともに呟く。こういう小さなところから女の子らしさを見せていかなければいけないのかなあ……
ダメだダメだ!今さら落ち込んだってしょうがない、落花枝に上り難し破鏡再び照らさず。それよりもちゃんとチョコレートを手に入れることを考えなくちゃ!
……とはいうものの、どこのお店が有名だとか美味しいだとかは分からないのよね。有名デパートに出店してるんだし、ハズレはないと思うけど。
とりあえず目の前にできている行列に並んでみる。このお店ではザッハトルテを扱っているらしい。幟に商品の写真がプリントされているが、とても美味しそうだ。
自分の番はまだかと順番を待っていると、店員さんが行列に並んでいる人の数を数え始めた。その店員さんが次第に私に近づいてきて、私の目の前で立ち止まる。そして、
「申し訳ありません!本日ご用意させていただいた数をお渡しできるのはここまでとなります!」
と、私と、私より後ろに並んでいた人たちに告げた。
「そ、そんな……」
特にこだわりがあって行列に並んでいたわけではないが、商品を見て美味しそうだと思っていたところだったので、少し残念だった。しかもよりによって自分の直前で売り切れなんて余計に悔しさが募る……ついてないなあ。
それはそうと別のお店を探さなくちゃ。行列のできているお店では今みたいなことがまた起こるかもしれない。今度は行列のできてないお店にしようかしら。
そう考えて辺りを見回してみる。どこの店にも行列などできていない。しかし、同時に人影もまばらになっている。
よくよく観察してみると、ほとんどのお店で「バレンタイン限定ケーキ終了しました」「お持ち帰り用チョコレートパフェ、本日終了」といったような看板を出している。
看板を出していないお店の店員さんに訊いてみても、
「すみません、チョコレート類のものは今日は売り切れですね」
などと言われるだけで、成果は上がらなかった。
「となると……残ってるのはあのお店か……」
そう言って目を向けた先にあるのは、洋菓子フロアに来た時に目にした、あのワゴンセールのお店だった。人垣は少なくなるどころか、さっきよりも数を増しているように見える。少し離れたこの位置まで熱気が伝わってこようかという焦熱地獄の様相も呈してきた。
どうやら、このデパートでバレンタインチョコを手に入れるには、あの地獄へと飛び込むしかないようだ。
「面白いじゃない……剣道で鍛えた根性と体捌き、見せてあげるわよ!」
小声で自分に檄を入れて奮い立たせ、私は死地に赴いた。
十分後、私はデパートの外に出ていた。
「ふ……ふふふ……ふふふふふふ……」
私の手には戦利品である彼へのバレンタインチョコが……ない。
「もーーーーーうっ!この私が負けるなんて!何なのよ、あの娘たちのパワーは!!」
キレた。人目もはばからずに地団駄を踏む。
あの後、私はワゴンに群がる女の子たちの間からなんとかチョコレートを手に入れようとした。しかし、私の体は何度も女の子に押され弾かれ、どうにか手に取ったチョコレートも確保する前に誰かに横取りされる始末だった。そうこうしているうちに、ワゴンにあったチョコレートはなくなっていき、無情にも店員が売り切れを宣告したのだった。
困った……どうしよう?まさかチョコレートを手に入れるのにこんなにてこずるなんて。こうまで何もかも上手くいかないとやたらと落ち込んでくる。まあ元はと言えばバレンタインデーを忘れていた自分が悪いのだが、そのこともよりいっそう私を落ち込ませる要因となった。
「……ダメ元でもう一つのデパートに行ってみよう」
いつまでも立ち止まっていると心がどんどん深みにはまっていくような気がしたので、私は次の目的地を頭に思い浮かべ、それを口にした。
ここから十分ほど歩いたところに、もう一つ大きなデパートがある。さっきのデパートの状況から鑑みても望み薄ではあるが……
「…よしっ!」
私は一つ気合いを入れて歩きだした。週末の繁華街は、湧いて出てきたのだろうと思うほどの人が行き交い、注意して歩いていても、どうしても何人かの人とぶつかってしまった。
五分ほど歩いたところで、私の目にコンビニの看板が飛び込んできた。そういえば、乙女たちとの熱戦・烈戦・超激戦(私の完全敗北、決まり手・押し出し)を経て、私の喉はカラカラだった。
コーヒーでも買って喉を潤そう。
そう考えて、私は人の流れから外れ、コンビニの自動ドアの、静かだが丁寧な歓迎を受けた。
ティロリロン♪ティロリロン♪
来客があったことを示す音楽が店内に響く。
「らっしゃぁーせぇんばんはぁ…」
そして店内に響かない店員のおざなりな挨拶。その声に私は少々ムッとする。何なのよ、その態度は!店員なら店員らしくシャキッとしなさいよ、シャキッと!
髪を茶色に染めた男性店員のいるレジの前を通り過ぎ、冷蔵庫の前へと辿り着く。
えー……っと、私がいつも飲んでるやつは……ってここはアルコール類の棚じゃない!高校生には無縁(であるはず)の場所だ!別に誰かに咎められたわけでもないのになんとなくばつの悪さを感じる。李下に冠を正さず、って言うし。
早々に横へずれて清涼飲料の棚へ行こうと、足に力を込めようかとしたその刹那、一際異彩を放った缶が私の目に飛び込んできた。
ビールや発泡酒、チューハイの銀や白のラベル、カクテル類の黒のラベルとは違う、茶色のラベルの缶が目に入りやすいところに鎮座していた。
「へえ、こんなお酒もあるんだ」
手にとって見てみると、どうやらチョコレートフレーバーのビールらしい。有名なビールメーカーとチョコレートメーカーのコラボ商品だ。
「…まあ、高校生の私には4年早いけど」
缶を元の場所に戻そうと手を伸ばし、そこで天啓にうたれた。
「こ、これだッ!!」
今日はバレンタインデー、手にあるのはチョコフレーバービール、そして彼は酒好き。パズルのピースが頭の中でカチカチと音を立てて組み合わさっていく。
「これをプレゼントしたら、彼は喜んでくれるんじゃないかな?かな?」
思わぬ所で思わぬ発見をした興奮のあまり、恋敵(かつ親友)の口癖がうつってしまった。
……あれ?恋敵…だっけ?恋敵なのは別の世界の話で、この世界では私と彼女はそれぞれ違う人を好きになったはず……よね?
考えても仕方がなさそうなので、私は改めて棚に目を遣る。他にもこれみたいなお酒ないのかしら?
「あ!これもそうかな?」
ビールよりも一回り小さな缶を手に取る。チョコレートとラム酒のカクテルらしい。ラム酒なんて言われても飲んだことないから美味しそうかどうかの判断もできないんだけど、彼はお酒なら何でも飲むタイプだから多分大丈夫だろう、キープ。
アルコール類はこれだけかな?これだけって言っても、ビール2種類にカクテル、私は腕に3本の缶を抱えていた。
ちかくに丁度よく買い物かごが置いてあったので、腕の物をかごに下ろし、かごを持った。
清涼飲料の棚も見て回る。ここにもチョコレートの飲み物があった。
「チョコレートの……炭酸飲料?」
500mlのペットボトルに入っている。これならお酒じゃないし、私も飲めるわね。買い物かごにそっと入れた。
「……いくらなんでも買い過ぎかしら」
都合、買い物かごの中には飲み物が4本。1日で飲んでもらえないかも。
まあ、今日飲めなかったら明日以降に飲んでもらってもいいし、私はそのまま冷蔵庫の前を離れた。
レジに向かう途中、あるお菓子が無性に食べたくなり、それを買い物かごに入れた。
そしてレジの前へ。前のお客さんがちょうどお会計を終えようというところだった。
……ってちょっと待って。私ってお酒を買ってもいいのかしら?
日曜ということもあって制服は着てないとは言え、私は高校生。
もしかしたら年齢確認のために身分証とかの提示を求められるのかも。
そうしたら私が高校生だということがばれて、白皇にも連絡がいって、私の生徒会長としての地位や品行方正なイメージが崩れてしまうかもしれない!
まずい……それはまずいわ……
お酒は戻してこなくちゃ、彼の喜ぶ顔が見られないのは残念だけど、デパートにチョコレートが残っていることを祈ろう。
そう考えて身を翻そうとしたとき、
「次でお待ちのお客様どうぞ」
と声をかけられた。いや、そういう風に私の頭が認識した。
レジは入店したときにおざなりな挨拶をしていたあの店員で、レジでもけだるそうにしている。
さっきのにしたって、音に直せば「っぎでぉまひのおきゃくさわっうぞー」になる。どこまでやる気ないのよ……
しかし声をかけられたからにはなんとなくもう戻りづらい。意を決して買い物かごを台へと置いた。
「百四十七円が一点、百六十八円が一点……」
相変わらずはっきりしない声を出しながら、ジュース、お菓子とバーコードを読み取っていく店員。
そしてお酒を手に取り……こちらを見てきた。
未成年だって分かっちゃうかな、やっぱり年齢確認されるのかな……もしそうなら素直に諦めるしかないけど……
「……百九十八円が一点」
あ、よかったスルーしてくれた。
「二百九十四円が一点、二百九十四円が一点、合計千百一円になります」
財布の中から丁度のお金を出して、お金を入れるお皿に入れた。
「丁度お預かりします、こちらレシートです、ありがとうございました」
レシートと袋に入れられた商品を受け取り、店の外に出た。暖房の庇護下から二月の寒空の下へ出て、その落差に辟易する。
最後まで怠慢な勤務態度の店員だった(最後の「ありがとうございました」なんて「ありがとじゅしたー」と言ってるようにしか聞こえなかった)けど、そのおかげで年齢確認もされずにお酒も買えたのかもしれない。そう考えると、あの店員にも感謝しないといけないな。
とにかく、バレンタインのプレゼントは手に入った。目指していたものとはちょっと違っちゃったけど、これなら彼もきっと喜んでくれるはず!
彼の喜ぶ顔を想像して顔をニヤけさせつつ、私はバス停へと向かった。
ピンポーン♪
彼の部屋のインターホンを鳴らす。ややあって、ドタドタという足音が玄関へと近づき、ガチャっとドアが開いた。
「おかえり、ヒナギク」
彼は私の顔を認めると、私を温かく迎え入れた。
「うん、ただいま!」
私も笑顔でそれに応える。
「荷物、持とうか?」「ありがと、でも重くないから大丈夫」「寒かったでしょ、部屋暖まってるよ」「ホント?早くコタツに入りたい!」なんでもない日常会話をキャッチボールする。
しかし、私は彼の一挙手一投足にどことなくぎこちなさを感じる。
チョコレートをいつ貰えるのかとソワソワしているようだ。
例年、学校でもこの日になると男子はソワソワしており、それを悟られないように自然を装っているようだが、女子からするとそういうのはバレバレだ。
学校の男子がしているなら呆れるところだが、恋人がしていると評価は百八十度変わって愛おしく思えるのだから不思議だ。
部屋に入り、向かい合ってコタツに入る私たち。
相変わらず話題を振ってくる彼だが、目線は安定せず、ソワソワは隠せていない。やがて、
「あ、ご飯作ってるから先に食べようか!」
と、思い出したように彼が立ち上がり、台所へ向かった。
「先に」なんて言ってたけど、「何の先なの?」と聞いたら彼は慌てただろうか?
慌てふためく彼の姿を想像して、私はひとり笑った。
そして、配膳を手伝うために、私も台所へと向かった。
彼の作った晩御飯を食べ終えた。相変わらずの濃い味付けで、彼の健康が心配になる。
ご飯を作ってもらったのだから、後片付けは私がやることにした。テキパキと片付ける。
戻ってくると、コタツに入ってテレビを見ている彼はやっぱりどこかソワソワしていた。
親鳥に餌をねだりたいけど兄弟がすごくアピールしていてなかなかアピールできない雛鳥を想像して少し笑う。
これ以上焦らすのも可愛そうなので、私から話を振ることにした。
「ねえ、渡したいものがあるんだけど」
そう告げた瞬間、彼の目の色が明らかに変わった。キラキラ、いや、ギラギラしている。
「え?なになに?」
分かっていないはずがないのに白々しく訊いてくるのが滑稽で、また笑いがこみあげてくる。駄目だ、まだ笑うな。
「うん、今日はバレンタインデーじゃない?だから、バレンタインのプレゼント」
そう言って私は台所に行き、冷蔵庫からこっそり入れておいたコンビニのレジ袋を取り出し、座っている彼に差し出した。
ハイ!ここで彼の喜ぶ顔と感謝の言葉!そして私も笑顔になる……って、あれ?彼の顔は固まってるし感謝の言葉もない?
「あ、ありがと……」
あ、感謝の言葉がもらえた。……じゃなくて!なんか反応薄くない?
ふと未だに自分の手にぶら下がっているコンビニのレジ袋を見る。
そう、コンビニのレジ袋だ。
ギフト用の包装なんてものとは程遠い、ただのコンビニレジ袋。色気も何もあったもんじゃない。
「あ、ごめんね、せっかくのバレンタインなのに、可愛げもないもので……」
「え、あ、いや、うん」
「私もね!最初はちゃんとしたお店のチョコレートを買おうと思ってたのよ!なのに並んでたら売り切れになったり、頑張って戦ったけどダメだったり……」
「いや、分かったから落ち着きなよ、ヒナギク」
彼は立ちあがり、私の肩に手を置いた。
しかし私の口からは言葉が淀みなく生まれ続ける。
「そもそも私が昨日の昨日までバレンタインの存在を忘れてたのが悪いんだけど!でも、コンビニで買ったからって私の気持ちも安物とかそういうのでは決してなくて!」
「うん、それは分かってるけど……」
「ていうかあなただって中身を見もせずにがっかりするなんてひどいじゃない!私がこれを買うのにどれだけ苦労したことか!ある意味人生まで賭けたっていうのに!」
最後には逆ギレになっていた。一息に言いきったので、体が酸素を求め、肩が上下する。
ああ、せっかくのバレンタインの雰囲気を自分で壊してしまった。彼、怒ってるかな…怖くて顔が見れない。
と、不意に私の手が軽くなった。彼が私の手からレジ袋を取ったのだ。
中に手を入れ、チョコレートビールを取りだす。そして、
「うわ!これ、僕が飲みたかったやつじゃん!」
と目を爛々と輝かせながら叫んだ。
「え?そ、そうなの?」
私は、彼の興奮具合に驚きながら尋ねた。
「そうなの!友達からこういうビールが出てるってのは聞いてたんだけど、見つからなくてさあ。お!こっちのは知らないなあ、チョコレートのカクテルなんてあるんだ、美味しそう!」
おもちゃを買ってもらった子供のようにはしゃぐ彼。喜んでもらえてるみたいで私も嬉しくなる。
彼は、取りだしたお酒とジュースをいったんテーブルに置き、私に向き直った。
「ありがとう、ヒナギク。……それと、さっきはゴメン。コンビニの袋だってだけでガッカリして」
そう言いながら、彼は私をそっと抱きしめてきた。
彼の体温が私に伝わり、彼の匂いが私の鼻腔をくすぐる。
「も、もう怒ってないわよ!っていうか私にも原因あるし。あれだけ喜んでくれたら、私も嬉しいし……」
言ってて恥ずかしくなってきたので、私も彼の背中に手を回し、ギュッと抱きついた。
そうして一分くらい無言で抱きしめ合っていただろうか。
彼が腕の力を緩めて、
「ねえ、バレンタインのプレゼント、早速飲んでいいかな?」
と訊いてきた。もう飲みたくて堪まらない、といった表情だ。
「うん、もちろん!あ、そうだ!どうせなら私がお酌してあげるわ」
私は台所からグラス(彼の部屋にジョッキはない)を持ってきて彼に手渡した。そして彼の斜向かいに座り、彼が最初に飲みたがっていたチョコレートビールを注いだ。
「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!」
最後に開けたチョコレートカクテルを飲みながら彼が言った。
ビールの方は二つともイマイチようだが、カクテルはココアのようで美味しいとのことだ。
「よかったぁ……」
私は胸を撫で下ろした。せっかく買ってきたチョコレートのお酒が、三本とも美味しくないなんてことにならなくて本当によかった。
彼は美味しそうにカクテルを飲んでいる。
私はというと、コンビニで飲み物と一緒に買ったパッキーを食べていた。冷蔵庫の中に、飲み物とは別に置いていたのを、ついさっき思い出したのだ。
「ヒナギク~、僕にもパッキーちょうだ~い」
彼が普段は言わないような猫撫で声で話しかけてくる。
「いいわよ、ハイ、あーん」
「あーん」
パクッと彼がパッキーに食いつき、飲み込んでいく。本当に餌をねだる雛に餌をあげる母鳥の気分だ。でも不思議と嫌じゃない。母性本能ってやつかな。違うか。
「ヒナギク~、もっと~」
「はいはい、あーん」
さっきと同じように彼の口元にパッキーを差し出す。
「?どうしたの?食べないの?」
「今度は『パッキーゲーム』やろうよ~」
「『パッキーゲーム』?」
「『パッキーゲーム』……それはパッキーの両端を二人が咥えあい、お互い少しずつ食べ続けていって、折れずに最後まで食べきったら自然とキスしちゃってるという卑猥なゲームである」
彼が特撮ヒーローの必殺技解説ナレーションみたいな説明を入れる。
「いや、それは知ってるけど……本当にやるの?……っていうか酔ってる?」
「全然酔ってないよ~。ね~、やろうよ~、一生のお願い~」
酔ってる人は大概酔ってないというし、一生のお願いは人生で何度も使うものだ、と私は知っている。
「もう……!しょうがないなあ」
提案に乗る。正直私もちょっとやってみたいと思ってたし、彼が相手なら最後までいったところで何の問題もない。
「よぉし!やろやろ~」
彼がチョコが付いてる側を、私が持ち手の側を咥える。
そしてお互い少しずつパッキーを食べていき………パキッ!半分も行かないうちに折れた。
「へぇー、意外と難しいのね、コレ。そう難しくなさそうに見えるのに」
残ったパッキーを手を使わずに口に入れ、素直な感想を漏らす。
と、気付くとパッキーゲームの勢いそのままに近づいてきた彼の顔が目の前にあり、
「え?ん!んん!」
そのままキスされた。
パッキーのものか、カクテルのものか、チョコレートの甘い香りが鼻の奥を刺激する。
「ん……ちゅ………ぷぁ」
唇が解放される。
「んもう……こんなのルール違は、んん!」
言い終わらないうちに再び唇が塞がれた。さっきよりも強く彼の唇が押しつけられる。
いつもの彼ならこんなに唐突にキスしたりしないのに。
「ちゅ……ねえ、やっぱり酔ってるんでしょ?」
私はそう訊いたが、彼は答えることなく、黙って私のなだらかな胸に手を置いた。
「ん!あぁっ!っは!」
彼の手が、服の上からでも確実に私の敏感な部分を責めてくrとここまで書いて時間切れ。
ネタはあんまり考えずに適当に書いた。
書く時間があれば、
去年のクリスマスの時にしてもらえなかったお口で御奉仕をさせたかった。
というわけでヒナギクにプレゼントしてもらった設定の飲み物を飲んでみた。
ショコラブルワリー ビターチョコレートのフレーバー。
味も微妙にチョコレート。
不味い。
ショコラブルワリー スイート味がビターとあまり変わらない。
不味い。
ビールでもないしチョコレートでもないし
ビールのノリでグイッといくと何も美味しくない。
味わう感じで口にとどめると後悔する。
ペプシのイロモノ味を彷彿とさせる。
ショコラカクテル薄いアイスココアって感じ。
普通に美味しく飲める。
チョコレートスパークリング匂いめっちゃチョコレート。
舌先でサイダーの味を感知し、舌奥横っかわでチョコレート味を認識。
要は飲んだ直後はサイダーで飲み込む時にチョコレートになる。
のどちんこの方にくる不快なチョコレート臭。
なんか泣きたくなる味、不味くて。
結論:チョコレートは普通に食べるのが一番美味い誰か僕にバレンタインチョコレートをください。
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関連エントリ抽出中...
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ヒナギク視点で書かれてるのがいいNE!
この続きは妄想で補えばいいのかな?w
そういう缶系のは飲んだことないからわからないけど、ゴディバリキュールはそこそこおいしいよ!
アイスコーヒーやミルクで割って是非飲んでみましょう!w