書く。口にできないから。　　　　　　　　　　　　　　　　

読む本がなくなったので、彼女のオススメの本を借りて読みました。
あんまり読まないようなタイプの小説だったんで、結構面白かったです。
こういうのって倒叙法って言うの？
この言葉自体この小説で始めて知ったんだけど、
主人公は犯人です。
高校生がアングラな知識や手段を用いて完全犯罪を目指します。
作中に何度かアングラの用語が出てきますが、
我も一時期ネットのアングラサイトを周ってたことがあるんで、
その知識がイメージを作る手助けをしてくれてよかったです。
彼女はさすがにこんなこと知らないだろうな～、とか思いながら読み進めてました。
実際知らないらしいですけど。
ちょっと犯罪の準備の描写でイメージができにくかったですが、
それは我のイメージ力不足と知識不足でしょうね。
ただラストは納得いかないというか…気に入らなかったですね。
警察を相手にするとか言っておきながら自ら命を絶つ主人公。
自分が逮捕されたときの母親や妹の心配をするようなことをいいながら身勝手では？
親にとっては子どもが先に死ぬことが一番辛いんじゃないの？
とか思ってしまいます。
まあ我は犯罪者ではないので犯罪者の心理なんてわかりませんがね。

この小説で目にとまったのは、１９７ページ。

「最近の18禁ゲームは、泣けるんだぞ。知らないだろう？」

という、主人公の、妹に対する台詞。
純粋に感動しました。ＧＪ！！
正直我にとってはこの小説はこの台詞だけでおなか一杯です。
我も１５歳からエロゲーやってる人ですからね。
血の繋がらない妹がいる主人公なんて
それ何てエロゲ？
とツッコみたいところですよ。

しかし、アングラなことやエロゲーについてを小説に取り入れる作者が一番すごいと思います。
こんなこと書くんだから若い人なのかな～、と思いつつ作者紹介見たら、
うちの親と４歳くらいしか変わらないんだから驚き。
ついでに大学の先輩でもあるし、また驚き。
新しいものを取り入れながらそれを吐き出す素晴らしい作家だと感心します。
彼女が一番尊敬してる現代作家だというのにも納得です。
我なんて知識を取り入れるのは好きだけど吐き出すなんてできませんからねぇ…



今読んでるのは我が一番尊敬してる現代作家、宮元輝の「約束の冬」です。
とりあえず上巻読み終わったら一旦感想を書きたいと思います。



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